≪もんじゅ≫は生徒の皆さんが単に「勉強のできる子」になるのではなく、環境問題などに関心を持ち、市民として社会活動にも参加する大人になってもらうべく、各種の社会科見学的課外活動を定期的に実施しています。例えば、2017年度はフィールドワーク「鶴川地区の用水路・稲作・お稲荷様」、もんじゅ遠足「皇居・気象庁見学」、2018年度は町田市役所等訪問「障碍者の就労支援と雇用」等を企画・実施してきました。折しも文科省は「アクティブラーニング」を提唱し、調べ学習、文章記述、情報発信など幅広い学力の訓練を推奨しています。
今年度は8月26日(月)午後に環境省を訪問し、省職員の方から「絶滅危惧種の保全」に関して2時間余りにわたり講義をしていただきました。今回は内容的に小学校高学年から中学生までの個別コースの生徒さんにしぼって参加のお声をかけました。生徒さんと保護者様、そして≪もんじゅ≫の指導スタッフの計7名で、環境省のある霞が関の庁舎へ行ってきました。お昼前に到着して庁舎内の食堂で腹ごしらえをしてから、局長室でお話を聞きました。
お話をしてくださったのは、同省自然環境局野生生物課希少種保全推進室の松木室長補佐でした。京都大学大学院で博士学位を取得された専門家で、レンジャー(自然保護官)をされていたご経験をお持ちです。15ページの詳細なレジュメ(前ページ写真)と各種資料もご用意くださり、わかりやすくご説明くださいました。日本は温暖湿潤な島国であることから、固有種が世界的にも極めて豊富な国であるからこそ、種の保存に努めなければいけないことを教えていただきました。
≪もんじゅ≫の生徒たちも事前に個別指導で、今年3月に一般公開された絶滅危惧種の日本ライチョウや、5月の国連による「動植物100万種絶滅危機警告」、「持続的発展可能な社会目標(SDGs)」を学習し、当日の講義では「なぜ家畜まで絶滅しつつあるのですか」、「国際的な調査は国によって信頼性が違いますか」、「環境省は企業との連携をするのですか」、「プラスチックストローなどの使用禁止は省が主導しないのですか」、「温暖化によって水没する地域が日本にもありますか」など、いくつも質問をしました。
昨今は、みな学校の授業で環境問題の大切さはよく耳にしているはずです。それを自分で調べたり、専門家と質疑応答をしたりすることで、ただの知識が実感を伴う理解にまで深まります。「自然は大切」ということは、誰しも知っています。しかし、その知識を体系的に学習し、世界の動向を教わることで、私たち一人一人がすべきことを見出すことができます。単なる知識の詰め込みではない教育を、≪もんじゅ≫は模索しています。
講義後に環境省からいただいた3種類の大型啓発ポスターは、参加者した生徒たちに1~2枚ずつ渡しました。「環境省」のロゴが入ったポスターは良い記念になると同時に、日頃から自宅で目にすることにより、私たちの環境意識を高めることに役立ちます。それらはパネルにして、≪もんじゅ≫の教室に掲示してあります(写真)。
なお、今回の環境省訪問については、鶴川在住の伊藤しゅんすけ衆議院議員にお世話になりました。中央官庁の官僚の方から直接講義をしていただくという得難い機会を、伊藤議員のお手配でご提供いただきました。改めまして感謝申し上げます。伊藤議員のお父様の伊藤公介氏も元衆院議員で、国務大臣国土庁長官をされていました。今月、参加生徒たちの環境省訪問レポートが提出された後に、それらを携えて高橋門樹が事務所へうかがい、お2人に環境省訪問のご報告を致しました。