都立高校の推薦入試では、小論文や集団討論、面接が課されます。近年主流となりつつある大学の推薦系入試(指定校推薦・学校推薦・AOなど)でも、小論文、志望理由書が重視される一方で、一般入試でも記述式解答が増え、文章力とコミュニケーションスキルが問われる時代になっています。入試に限らず、デジタル社会において文章が書けることは、これまで以上にお子さまの武器になります。≪もんじゅ≫では、こうした時代の到来を見据えて、開塾間もないころから作文・読書コースを設け、生徒さんの文章執筆能力の涵養に努めてきました。
脳科学研究者である川島隆太・東北大学教授は、著書『子どもの脳によいこと大全』(プレジデント社、2023年)で、以下のように説きます。小学校5年生から中学3年生までの児童4万人を調査した結果、読書時間と偏差値が大きく関連していました。読書を1日10~30分するだけで偏差値は3上がります。読書習慣が身につくと、「文章を読むことがまったくストレスになりません」「自分で本を読み、さらに知識を積み上げていくという、理想的なループに入ります」とのことです。
作文・読書コースでは、課題図書を毎週ワークシートで要約・考察し、読み書きに慣れていきます。作者が何を言いたいか、何が文章に書かれているか、自分はそれに対してどう考えるかを深堀りしていきます。課題図書の読解だけではありません。≪もんじゅ≫では同時に新聞視写にも重点を置き、簡潔な文章の書き写しによって、いつ・どこで・誰が・何を・どうした(4W1H)が整った文章執筆を体得します。それにより、短文も長文も「書く」ことそのものに抵抗がなくなっていきます。
≪もんじゅ≫では発話や意見交換をとても重視しています。間違いであっても、個性的な意見であっても、どんどん話してもらい、そうすることでコミュニケーション能力がつくと考えているからです。しかし、こちらが質問しても、うなずいたり首を振るだけで、言葉で答えられないお子さんが少なからずいらっしゃいます。それは、語るべき言葉と知識がないことにも大きな理由があります。どのような言葉づかいでどのように語るのか、コミュニケーションスキルの修得は、つきつめれば語彙と文章が瞬時に思い浮かぶようにする訓練で獲得できると言ってよいでしょう。
現実的な入試で例を挙げれば、「現代社会はデジタル技術をどのように利用すべきか」「グローバリゼーションにおける外国語学習の有用性を説明せよ」といった問いがなされた時に、日ごろの読書や新聞閲覧の習慣なしに解答することはできません。暗記偏重教育から脱却しようとする日本の教育界にあって、「作文・読書」の重要性はますます高まっています。