来月から≪もんじゅ≫は4つ目のコース「個別指導コース」を開設します。これまで生徒さんの親御さんたちから、「≪もんじゅ≫で個別は教えないのですか?」との問い合わせをよくいただいていたことにお応えするものです。

 当初は、すでに開講している3コース(略称、音読・そろばん・作文)の指導方法や教材を充実させることに集中していたことと、今どきは流行りのように多くの塾が「個別指導」を謳っている割には、従来の家庭教師や補習授業との違いが不明確だったことなどから、当教室では個別指導をお受けしていませんでした。
 個別指導の重要性を認識したきっかけは、去年、小学校4年生だった娘の理科の勉強を手伝った時です。2学期では不本意な成績だった理科でしたが、3学期に入り、「あした理科のテストがある」と言うので、私が範囲となっている単元の内容を参考書で説明をし、比較的簡単な問題集を2ページほど解かせたところ、翌日のテストでは満点をとり、3学期は成績が「5」になりました。
 私自身は中学受験の経験があり、小学校の理科と社会でどのあたりがテストに出るかは大体わかりますし、用語と概念を図解や地図で理解してから何度か音読し、ドリルなどで用語を手で書けば、点数がとれないわけはないと思っています。しかし、そうした経験のある大人の適切なサポートなしに、勉強をお子さんに任せきりにしたままでは、お子さんはなす術もなく袋小路に入ってしまいかねません。

 ≪もんじゅ≫では、そろばんで計算能力を人一倍つけ、音読と作文で漢字・文章を難なく書けるようにすることが、すべての学力の土台だと思っています。しかし学校のテストでは、用語の理解やテクニック的な解法がないことには点が取れないのも事実です。自力でそれを獲得できるお子さんもいますが、そうではない場合が大半です。
 ≪もんじゅ≫の生徒さんたちのように、計算と漢字、暗記と文章執筆になれているお子さんであれば、勉強法のコツを少し教わるだけで、苦手教科があっても容易に克服してくれるだろうと思い、お母様たちのご要望にお応える形で、新コースを起ち上げました。もちろん、そろばん経験の有無に関係なく、教科書、ノートの作り方から、参考書・問題集の使い方まで丁寧に説明して効率的な勉強の方法を伝授します。
 個別指導と言っても、教室でプリントを解かせて採点後にやり直しと教師による解説をする塾も多いようです。これでは、個別も一斉授業も基本的に変わりありません。プリントを何枚もやらせてわからない問題で子どもを悩ませ、点数で劣等感を植えつけるよりも、上手な解説とその子に合った問題で「わかる喜び」を体験させることに、学びの本質があると考えます。

 個別指導は、≪もんじゅ≫のそろばんや音読などのコースでも、日常的に行っているとも言えます。そろばんの解法でわからないところがあれば、生徒さんはすぐに教師に聞きに来ますし、音読では教師が気軽に一人一人に質問して生徒とコミュニケーションをとります。≪もんじゅ≫の生徒には、学習内容がそろばんや音読テキストから学校の勉強に変わるだけのことです。
 先週の金曜日に、個別指導コースのチラシを入れた月謝袋を配布したところ、早速、あるお母様からお尋ねをいただきました。すでに≪もんじゅ≫に2人のお子さんが通ってくださっているお宅です。上のお子さんに不得意な教科があるので、それを教えてもらいたいとのこと、地道にそろばんと作文を継続できているお子さんなので、問題なくできるようになると思います。
 ≪もんじゅ≫は40年来続けてきた珠算教室を、2013年4月に音読・書きとりコースとそろばん・暗算コースの2コースでリニューアルし、2014年12月に作文・読書コースを増設しました。そして今回の個別指導コースの開講で、お子さんの基礎学力を総合的に養成する≪もんじゅ≫が完成したと思っています。地域の方たちのお役に立つ教育をご提供できればこれほど嬉しいことはありません。

(高橋門樹)