今年も早いもので4月になりました。皆様ご入学・ご進学おめでとうございます。お父様、お母様が手塩にかけて育てられてきたお子様が立派に成長されたお姿は、≪もんじゅ≫の指導スタッフにとっても大変嬉しいものです。春はお子様の勉強の一端に携わることのできるありがたさを改めてかみしめることのできる季節です。

さて、もんじゅは10年前の2013年4月に開塾しました。十数人の生徒さんから始まった当教室が、現在その何倍にも規模が拡大したことは、ひとえにお子様と保護者からお力添えをいただいたからであり、心より感謝申し上げます。当初、「音読・書きとりコース(以下、音読コース)」と「そろばん・暗算コース(以下、そろばんコース)」の2コースから始め、後に「作文・読書コース」「個別指導コース」を増設しました。そして、2017年4月からは直美先生のかつての恩師である浅沼先生が指導スタッフに加わりました。さらに、最近は高橋門樹と直美が得意とする語学学習にも力を入れて、英検受検対策指導やインターナショナルスクール受験指導、中国語講座なども個別指導の中で行うようになりました。

そろばんと英語と融合させた「英語読上げ算」では、各種交流会やコンテストに参加し、日米・日英交流や競技大会に生徒さんが出場してきました。こうした国際交流は生徒さんの高校の推薦入試でも高校側から非常に興味を持たれました。また、数年前から市内の小学校3校で3・4年生のそろばん授業をもんじゅが担当することになりました。フラッシュ暗算や英語読上げ算なども導入して、コンピューターや英語をそろばんとかけあわせた新しい学びを提案したところ、2021年には町田市教育委員会から表彰状をいただきました。コロナ禍の中でしたので表彰式はありませんでしたが、七国山小学校の校長先生から表彰状をいただきました。

昔から「読み・書き・そろばん」と言いますが、「読み・書き」の成果を具体的にどのように示すかは年来の課題でした。2017年から日本漢字能力検定協会に準会場登録をして、当教室で漢検を実施できるようにし、2学期ごとに漢検を実施し始めました。毎回15~20人の生徒さんと保護者様が受検されています。2022年1月からは地域の月刊図書コミュニティ誌『知恵の樹』で毎号もんじゅの生徒さんの図書紹介を掲載させていただくようになりました。最近、野球少年のK君(小5)が書いたプロ野球の元スター選手の著書紹介はご本人が目にする機会があり、そのチームのユニフォームをプレゼントしていただくという嬉しいサプライズも起きました。文章が何かの「力」を持つ証です。

2022年からもんじゅの新しい教育プログラムとして、里山体験と市のスポーツレクリエーションイベントへの参加があります。元大学教授で町田市レクリエーション連盟理事長の薗田先生から、町田に残る里山での米づくり作業にお誘いを受け、代かき、田植え、ホタル探勝、案山子づくり、稲刈りなどに、もんじゅの小中高校生と保護者様も参加されました。収穫したお米は参加された方々にはわずかで恐縮ですが、後日お分けする予定です。12月にGIONスタジアムで開催された「こどもスポーツフェスティバル」では、もんじゅの生徒さんたちに開会の宣誓をしてもらい、ご家族で楽しんでいただきました。同フェスティバルは今年5月3日(憲法記念日)の祝日に第2回が開催されますので、ぜひ皆様もご家族でご参加ください。机上の勉強だけでなく、地域の自然と地理を知り、体力づくりを楽しんでいただきたいです。

≪もんじゅ≫が全国珠算教育連盟に加入してから10年が経ち、高橋直美は今春、東京都支部内の地区長と常任委員に選出されました。ChatGPTなどAI(人工知能)が人間の知能を超えると言われる時代に、そろばんはどのような存在意義があるのかを、連盟という団体としても改めて問い直さなければいけません。もし「読み・書き・そろばん」、つまり言語理解・文章執筆・演算をすべてコンピューターに任せたら、人間には肉体労働だけしかできることはなくなります。AIが得意とすることと、AIではできないことを見極め、AIを使いこなせる人材にならなければ、AIによって駆逐される対象となってしまいます。現実にいちいちコンピューターを起動させてから情報の入出力をして人とやり取りをするのは非効率です。机に向かって長時間学習をする姿勢を早くから修得し、集中力や瞬発的な思考を鍛えること、そして個人的なコミュニケーションレベルの言語能力は、やはり「読み・書き・そろばん」を幼少期から学ぶことが最も効果的だと考えます。

これからも≪もんじゅ≫は新しい時代に適合した学習方法を様々な形で提起し続け、地域の知的発信拠点となるよう挑戦、努力していく所存です。