軽井沢にあるUWC ISAK高校は、知る人ぞ知る人気のインターナショナルスクールです。世界で通用するアジアのリーダー育成を教育理念に掲げ、世界や日本のトップ大学へ卒業生を大量に輩出しています。世界でUWC(United World College)に加盟する14校の高校は、豊富な奨学金と学校間の交換留学があり、米国内の提携大学にも優先的に入学できます。この学校の入試では、40名の募集人数に対して数千名の志願者が世界中から殺到します。授業はすべて英語で行われるため、英語の運用能力が必須です。実際の合格者はほとんどが海外在住の日本人あるいは帰国子女で、日本生まれ日本育ちの人で合格する人はほんのわずかですが、≪もんじゅ≫で学んだお子さまたちはその狭き門をくぐり抜けて合格を手にしています。今年で合格者は通算4人となりました。
≪もんじゅ≫では、2021年に≪もんじゅ≫でそろばん・音読・個別指導コースを受講していた生徒さんをこちらに合格させて以来、オンラインで受験指導依頼が絶えず、22・23年まで3年連続で合格者を出してきました。24年入試では≪もんじゅ≫からの受験生はいなかったのですが、今年は≪もんじゅ≫で指導したISAK志望の生徒さんを合格に導くことができました。通算4人目の合格者です。ISAK入試は欧米の一流大学に似たきわめて特色のある入試です。推薦入試やAO入試が増えつつある日本でも参考になるため、その入試方式をご説明いたします。
最大の特徴は1回のペーパーテストで合否を決めるようなことが全くない点です。ペーパーテストで測れるものは決まった答えを導き出す「認知能力」ですが、机上の知識だけでなく、さまざまな経験「知」や人的ネットワークを活かし、新たな発想を提起して社会に有益なことを成し遂げられる「非認知能力」も兼ね備えた人材が求められているのです。学校の成績は5段階平均で4.5前後であれば、オール5を必要とされるわけではありません。それ以上に問われるのは、学校や町内・市内レベルの身近なコミュニティでの活動とリーダー経験、ボランティアなどの社会貢献、長年かけて習い事などで修得した技能(そろばん、書道、音楽、スポーツなど)、将来の夢とその実現のための行動、そして何よりもリーダーシップです。
先日、ISAKに合格した生徒さんは一次書類審査で、「志望動機と本校での活動計画」を始めとする様々な課題に対しA4用紙10枚以上の内容を書き、自己紹介動画(英語)と合わせて提出しました。それに合格すると、次はオンラインの二次審査です。グループディスカッションや発表、英語面接などがあります。英語面接は60問以上の質問を想定して英語で即答できるように練習しました。この学校の入試に挑むには、レベルの高い経験「知」をいくつも事前に蓄積することが最大の課題です。様々な知的・社会的イベント情報の提供から受験指導が始まります。
こうした受験に14~15歳で挑み、合格したお子さまたちの高校以降の活躍ぶりは目を見張るものがあります。既に自分で考え、行動できるお子さんは、勉強でも将来の仕事でも取組み方を熟知しているため、例えば学生時代のインターンの面接などでも、明らかに人事担当者の目を引きます。中学高校時代に社会的意識をもって学習することを習慣化し、大学入学後に大学で学んだ知識と技術をインターンシップや企業などで実際に社会実装する姿勢は、社会に出てから非常に高く評価されます。経済同友会がメンバー企業でアンケート調査をしたところ、営業成績の良い社員と卒業大学の偏差値との関連はまったくなかったことが明らかになりました。現時点の日本はすでに大企業に入ったからと言って終身雇用が保証されるわけではありません。入試および普段の学習において、どのような知的技能を習得すべきかを問い直す時期に来ています。
さて、コロナ禍を経て、入試は大きく変わりました。そもそも極寒の2月に子どもたちを1箇所に数百人~数千人集めて同日同時刻にペーパーテストを行うこと自体、天候や健康管理・感染症などでリスクの高い入試方式であることは言うまでもありません。入試でもオンラインを導入する学校が少しずつ増えています。日本の大学の総合型選抜方式では審査対象となる文書のほぼ全てをオンライン提出とし、面接もzoomなどで行う大学は珍しくありません。
これまで入試文書は学校の先生がとことんチェックしてから取りまとめて提出する流れが主流でしたが、入試文書がオンライン提出となると、あくまでも受験生本人と家族がチェックしなければいけなくなります。社会で実務をしたことのない子どもが遺漏なく万全な状態で申請書を完成させることは、現実には至難の業です。できれば保護者の方が入試準備の最初と最後をきちんと見て、間違いなく提出書類をそろえて出し終えるまで見守る必要があります。途中の文章の作成などは、学校の先生や経験のある塾の講師に依頼するのが安心です。
とはいえ、特に総合型選抜入試(AO入試)では、保護者様の世代は経験したことがない分、なにを準備すべきかほとんどわからないのが実際かと思います。指定校や総合型など推薦系の入試の比率がますます増えていく中、大学入試は高校1年生からの用意周到な準備が不可欠になります。高校の推薦入試で多いのは、一般入試の傍ら、もし受かったらラッキーと、それまで何の準備もなしに推薦入試を受けるパターンです。都立高校の推薦入試は、小論文と面接と集団討論です。それらの勉強をしたことのない子どもたちは、成績が優秀でも高い評価を得ることがなかなかできません。評価軸が一般入試とは異なるからです。≪もんじゅ≫はこうした方式の受験に圧倒的な実績と強みがあります。将来役立つ勉強、必須となる語学学習、相手をうならせるような教養、そして夢を実現する行動力、一般的な進学塾とは一線を画すこうした指導を、≪もんじゅ≫では前面に打ち出して行っています。