今月8月8日(水)に国立京都国際会館で開催された、全国珠算教育連盟主催の全日本珠算選手権大会に、こども教室もんじゅ(以下≪もんじゅ≫)から小学生と中学生の選手、計2名が参加しました。昨年度、≪もんじゅ≫開塾5年目で有段者が3名誕生し、全関東珠算競技大会に初出場しました。6年目の今年度は、日程等が参加可能な生徒2名が全日本選手権大会に応募し、参加が許可されました。やはり勉強でもスポーツでも、選抜選手となって全国レベルの猛者たちと戦う経験は、生徒さんの誇りとなり、最高の刺激になります。前日昼に新幹線で京都入りし、夕食後にホテルで練習をしました。
当日配布された大会選手名簿を見ると、参加選手は47都道府県から計682名が登録されています。東京都からは総勢91名が参加していました。大会参加資格は「段位を取得した者」となっています。小中学生は初段・2段レベルでの参加も可能ですが、一般となると高段者でないと参加が許可されません。普段は教室で教えながら、大会では選手として参加する先生もいます。都道府県別対抗戦が小学生・中学生・高校生以上から各1名、計3名で競うのと、個人総合競技で小学生の日本一と成績優秀者が表彰される以外は、年齢による区別はありません。会場では子どもも大人も入り混じっての戦いでした。
会場入り口で受付を済ませると、選手それぞれに大会参加に必要な各種の物が大きな封筒に入って渡されます。その中に選手番号が大きく印字されたゼッケンが入っていました。この番号は基本的に応募時の取得段位によって割り振られ、≪もんじゅ≫の2人の選手は500番台と600番台の下位でした。まずは謙虚に末席から日本のトップ選手たちを仰ぎ見ることが、全日本選手権大会での最初の勉強です。2人とも800人が座れるメインホール1階の後方の席に離れて座りました。その後ろの2~4階席では、全国から集まった各教室の指導者と参加選手の保護者たちが、座りきれずに立ち見で観戦しました。
大会は朝9時に開会、午後4時に閉会予定の長丁場でした(実際は約1時間延長して閉会されました)。午前中にフラッシュ暗算と個人総合が、午後に読上げ算・読上げ暗算と都道府県別対抗戦が行われました。今大会でギネス記録を更新したフラッシュ暗算は、相当な訓練をしないと何の数字がスクリーンに表示されたかすら判別できません。千兆の位の数字を計算する読上げ算は、そろばんを弾く指さばきや暗算でこなす頭脳が驚異的であるのはもちろんのこと、16ケタの数字を早口で間違いなく読み上げる先生方にも修練が要求されます。大きな会場が、選手と指導者の張りつめた緊張感で満ちていました。
午前中の個人総合の結果は、午後の競技実施中に集計されます。午後の競技が終わると表彰式です。今年の日本一は、子育て中の女性が栄冠を勝ち取りました。子育てをしながら練習時間を捻出し、集中して練習した末の日本一という偉業には、感嘆するばかりです。都道府県別対抗戦は沖縄県が優勝しました。華やかな表彰式の後、参加選手全員に成績記録証が手渡されます。≪もんじゅ≫の選手たちは、ゼッケン番号よりも数十人分上の順位でした。つまり、5月に応募して8月に大会参加するまでの間に、他の選手よりも数十人分実力が伸びたということになります。全日本大会初参戦で、よく頑張りました。
大会の翌日、学問の神様である菅原道真が京都で祀られている北野天満宮をお参りしました。都道府県別対抗戦で優勝した沖縄勢の選手たちを直接指導されている女性の先生は、大会当日の早朝に北野天満宮を参拝されたそうです。私たちも≪もんじゅ≫の生徒さんたちの学業成績がますます向上することを拝殿で願って来ました。その沖縄の先生とはフェイスブックで「お友だち」なので、優勝直後に会場でお祝いの言葉をかけ、大会後には指導法のアドバイスを教えていただきました。全国で実績をあげられている指導者の方々のお知恵をいただき、≪もんじゅ≫も着実に成長していきたいと思っています。
余談ですが、読上げ算の様子を高い位置にある観客席から見ていると、16ケタもの数字をそろばんで弾いている選手たちが、みな同じタイミングで左から右へユラーリ、ユラーリと波打っているのが、新鮮な発見でした。都大会や全関東大会では、これほど多くの選手を上から見ることがなかったので、真剣勝負の中でどこかユーモラスな光景に見えました。その他、観客席の座席は各団体が早い者勝ちで大量に確保してしまうことがわかり、これからは会場入りしたら真っ先に席取りに行かないと、座席が無くなってしまうことも知りました。神奈川県支部の先生に1つ席を譲っていただき、助かりました。