1 コースの目的と概要
グローバル時代に活躍できる人材として求められる能力は、コミュニケーション力だと言われます。文化の異なる人たちを理解し、彼ら彼女らと意見交換して、自己主張もすることが、当たり前の時代になるからです。そこで、≪もんじゅ≫は、まず新聞をテキストとして読み、世の中のできごとを知ること、そして、それに対して自分の考えをもつ講座を、中学生向けの作文・読書コースの中に作りました。日本と世界の動向に敏感になることで、グローバル・コミュニケーションの感度を高めます。
そして2番目のテキストとして、文学作品集を選び、深く考察し、自分の意見を練り上げる練習もします。最初に作者の時代と経歴などを調べて、その作品の背景を確かめます。次は、重要と思われる場面やセリフを抜き出し、作者の意図を探ります。最後には、自分の体験を引き合いに、賛成・反対・疑問を提起します。こうした過程を経て文章執筆することで、論理的かつ実証的な文章の執筆方法を修得することができます。また、これは読書感想文や受験の小論文対策にもなります。
これら2つのテキストには、≪もんじゅ≫オリジナルのワークシートを用意して、解答を容易に書きこめるようにしてあります。実は、自分の文章を作る作業は、パターンに従って進めて行けば、それほど悩まずに書いていくことができるものです。「習うより、慣れろ」。知識として学んだり、難しく考えたりするよりも、文章の型を覚えて、難なく自分の意見を文章化する訓練をしていきましょう。
2 テキスト
新聞テキストは、週刊『読売中高生新聞』(毎週金曜日発行、月税込780円)です。中学生向け新聞には、他社も発行していますが、読売新聞社のものが比較的安価で読みやすいことと、当コースの小学生講座の自由課題「新聞記事書写」で『読売KODOMO新聞』をテキストして指定していることから、継続して購読しやすいという理由で、『読売中高生新聞』を選びました。最近は受験で時事問題が問われることが多くなりました。古い知識をためこむばかりでなく、新しい事象を追い、自分の考えを持つことが求められています。
書籍テキストは、『読書の時間に読む本』(ポプラ社、中学各学年用、税込756円)です。この書籍は近現代の著名な文学者の作品10篇を収録しており、各作品とも15ページ前後と読みやすい分量になっています。さらには、この書籍が扱っている芥川龍之介、山本有三、宮沢賢治、三島由紀夫、太宰治、梶井基次郎、井上ひさしなどの著名な作家の作品に慣れ親しんでおくことで、受験で文学史の問題にも対応できるようになります。1ヵ月で1篇ずつ精読し、1年間かけて1冊を読了します。8月(夏休み)と3月(春休み)には、別途、読書感想文を1ヵ月かけて書き、学校へ提出できるようにします。
3 ワークシート
新聞テキストのワークシートは、解答欄が毎週3ページ分あります。1ページ目は、新聞の第1~3ページに書かれているトップニュースの特集記事についての質問です。この記事のニュースバリュー(目新しさ)、あなたの発見などについて答えてもらいます。2ページ目は、新聞の第6ページに挙げられている、その週の主要ニュースを書写してもらいます。新聞記事の特徴は、事件の概要を簡潔に伝える文体です。十分な情報を盛り込む技術を、そのまま書き写して覚えます。3ページ目は、新聞の第10~11ページに掲載されている職業人の記事特集から、その仕事と人物をわかりやすく紹介してもらいます。これにより、将来の自分の職業イメージをつかんでもらいます。
書籍テキストのワークシートは、1作品に1ヵ月間、各週2ページずつ使ってじっくり読み説いていきます。第1週では、作者の経歴や作品の基本情報、たとえば作品の舞台となっている時代や場所、登場人物などを書き出します。第2週では、作品の始まりと結末、重要な場面を明記した要約、および特徴的な表現やセリフを抜き書きします。第3週では、作品中の物語と似た自分の体験や考え方を紹介し、作者の意図を推察します。そして、作品に対する自分なりの賛否と疑義を表明することで、1作品に対する考察を完成させます。
中学生用ワークシートは1ページが270~300字の原稿用紙として構成してあります。新聞と書籍、2種類のテキストに関するワークシートを合わせて毎週1000~1500字の文章を書くのは、初めのうちは容易ではありません。2種類のいずれかだけにする、あるいは新聞ワークシートの枚数を減らすなど、お子さんの状況にあわせて、お始めいただいくことも可能です。
4 提出、添削・返却、効果
上記の通り、基本的には新聞ワークシート3ページと書籍ワークシート2ページの計5ページを毎週作成し、それを2週間ごとに月2回、郵送で≪もんじゅ≫へ提出していただきます。記入済みワークシートを≪もんじゅ≫指導スタッフが受領後に添削をします。やる気を促すほめ言葉を中心に、原稿用紙の使い方や文章表現のアドバイスを余白に書き込みます。受領後1週間以内に添削して郵送で返却しますので、生徒さんがワークシートをポストに投函してから、添削済みのワークシートが自宅に返却されるまでは、およそ10日ほどです。返却されたワークシートをクリアファイルにためていくと、1年後には分厚い作文ファイルとなり、作文に対して大きな自信がつきます。
これまで受講された生徒さんやそのお母様からは、「子どもが毎週、添削コメントを読むのを楽しみにしています」、「なかなか定着しなかった読書と作文の習慣が、できるようになりました」、「今では作文がまったく苦にならなくなっただけでなく、むしろ学校の作文の宿題を楽しみにしています」、「先日の読書感想文課題で、いままでで一番良い評価を学校でいただきました」などの感想をいただいております。
5 費用(税込金額)
毎月の費用は、①受講料5,400円と、②諸経費540円(封筒、返却用切手、ワークシートなど)の合計5,940円です。初回はこれに③入会金5,400円(ご兄弟姉妹でご入会の場合、入会金は最初のお1人分だけです)と、④書籍テキスト代がかかります。④は実費を≪もんじゅ≫へ受講料等と一緒にお支払いいただき、≪もんじゅ≫が通販Amazonから送料無料でご自宅へ配送される手配を致します。新聞テキストの週刊『読売中高生新聞』(月780円)は、生徒さんのお宅で最寄りの新聞販売店から定期購読する手続きをしていただきます。
作文・読解能力は、定期的に本を読み、文章を書いていれば、誰でも向上すると、≪もんじゅ≫は断言できます。楽器でも最初から大曲を演奏することは不可能でも、日頃から練習を積み重ねて、発表会を何度もこなしていくうちに、以前は他人が演奏しているのを聴いて「すごいなぁ」と思っていた曲を自分が演奏できるようになっているのと同じです。とりあえず1年間、一緒に新聞と本を読み、ワークシートをこなしていきませんか。≪もんじゅ≫スタッフは、記入済みワークシートへコメントを書くことを通じて、生徒さんと対話することを楽しみにしています。