昨年12月に出版された松永暢史氏の『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』(すばる舎)に、小学生の教育に関して示唆深い言葉が多く凝縮されていましたので、以下にご紹介します。(中略部分は「…」で示しています。)
+ + + + + + + + + 以下同書からの抜粋
私の仕事は教育コンサルタントです。…これまで私はたくさんの子どもに接してきました。…その結果言えることがひとつあります。それは…どんな子でも能力を伸ばすことができるということです。…本格的な勉強は子どもが…10歳を過ぎたくらいで十分と考えています。…必ず習慣づけておいてほしいことがあります。それが「本を読む」ということです。…勉強の先取りが悪いというわけではありません。ただ、それよりももっと大切で、もっとたっぷりと必要なのが、「読書」なのです。…小学校くらいまではあまり勉強していなくても、「読書量の貯金」がたっぷりある子は、小学校高学年や中学校くらいで本気になったら、ぐっと後伸びするのです。
高みを目指す子どもほど、小さいころから塾に入ります。…塾で上から3分の1に入っていなければ辞めるのが賢明です。難しいテキストをやらされて、「自分はできない」というコンプレックスを植えつけられるだけだからです。そして、勉強は「苦しいもの」「つまらないもの」になります。それよりは「本」です。本は楽しむためのものであり、いくら読ませても、読んであげても、勉強が嫌いになることはありません。
ある日、彼はいつも以上に無気力な態度で机につっぷしていました。国語の授業で「コブンに入った」のが原因で、彼の言う「コブン」とは『徒然草』のことでした。そこで、「つれづれなるままにひぐらし」から始まる冒頭を、音読してみることにしました。私が先に音読して、それを彼が真似るのです。…これをくり返した結果、徐々に「コブン」の音読が速くなり、国語の随筆でもスピードが出るように…なりました。…彼の成績は、実はクラスでビリから2番目だったのですが、成績表が全体的に「3」まで上がり、高校進学後も順調に伸び続け、有名私大への合格を勝ち取りました。
習慣づけのためなら、最初はどんな本でもいいのです。…「どうせなら名作といわれる本を」「読み応えのある文学作品を」という親心なのですが、子どもを本好きにするという大目的からすると、うまいやり方ではないですね。子どもをうまく誘導していってください。「お母さんが褒めてくれるなら、自分も読もう」と思わせ、どんどん褒めてあげるといいのです。要は親のひと言で、子どもは変わるのです。
+ + + + + + + + + 抜粋は以上
紹介したい内容は他にもたくさんあるのですが、ここまでにしておきます。ぜひ、実際に『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』を手に取ってお読みください。ただし、10歳を過ぎてしまったら、もう手遅れなどということはありません。10歳すぎてから猛烈に勉強を始めて成功をおさめた人もたくさんいますから、誤解をされませんように。
松永氏が書かれていることは、≪もんじゅ≫の教育方針に重なる部分が多くあります。≪もんじゅ≫は、リズムの良い古典作品などの音読で「読む」ことの快さを知ること、楽しい本を多読して語彙と感受性を豊かにすること、そして、そろばんで集中力と計算力をつけることで、お子さまの頭の筋力と持久力をつけるお手伝いをします。
門樹