全国珠算教育連盟の名誉会長が、宇宙飛行士の山崎直子さんであることは、
このブログでも過去に取り上げたことがありました。
わが家の書棚にあった山崎さんの著作
『何とかなるさ!』(2010年、サンマーク出版)を手に取って、
あらためてページをめくっていたら、
小さなお子さまをお持ちの女性がはげまされるようなる言葉が
たくさん散りばめられていたので、いくつかを以下に抜粋してご紹介します。
(中略部分は「…」で示しています。**の後の見出しは私がつけたものです。)

 

** 夢 ****
娘に、大きくなったら何になりたいか、という話をしていたときでした。…
突然「ママは、大きくなったら何になりたいの?」と言われたのです。…
もうママは十分大きいんだけれどなあ…
改めて考えてみると、大人になってからも、
「大きくなったら何になりたいだろう?」と考え続けるのはとても大事なこと。
いくつになっても夢を追いかけるのは大事だし、
いくつになってもあらゆる可能性があることを、娘から教わった気がしました。

** 子どものとき ****
5歳から7歳までの2年間は…北海道の札幌市で過ごしました。…
ときどき町内会の「星を見る会」が催されました。
グラウンドに天体望遠鏡が並べられ、
子どもも誰でも自由に覗くことができたのです。…
月のクレーターや土星の輪がはっきり見えました。
ちょっと手を伸ばせば届きそうな距離に感じられた。
宇宙って、こんなに近いんだと思ったのです。…
星空の下、家族と手をつないで出かける「星を見る会」が私は大好きでした。

** 留学 ****
英語以上に大切なのは、
「伝えたいことをしっかりもっているかどうか」ということ。
たとえば、相手の知らないこと、相手のためになることなど…があれば、
つたない英語でも…相手のほうから質問してくれたり、
「それはこういう意味だよね」と確認するなどして理解しようと努力してくれる。…
私はいまもときどき考えます。
宇宙に行って、私は何を感じ、何を伝えたいと思うだろう、と。

** 夫婦 ****
私と夫は、実はよくけんかをします。…そんなとき、思い出すのが、
『星の王子さま』(サン=テグジュペリ著、河野万里子訳、新潮文庫)の一部です。
「ことばじゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった」
王子さまは…「あの花はぼくをいい香りでつつんでくれたし、
ぼくの星を明るくしてくれたんだ」と気づくのです。
きっと夫婦も同じ。言葉ではなく、行動を見るべきなのでしょう。…
家族というのは互いに気を許しがち。ときにはひどい言葉をぶつけ合ってしまう。

 

       ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

宇宙飛行士にして全国珠算教育連盟名誉会長という
立派な肩書をお持ちの山崎直子さんも、
本書執筆当時で7歳だった娘さんの子育てやご家庭のことで、
悩み多き日々を送られていた時期があったようです。
それでも常に前向きに夢を持ち、努力をされているご姿勢には、
ただ敬服するばかりです。

≪もんじゅ≫にも、お仕事やご家族のことをしながら
なんとか時間のやりくりをつけて、
お子さまの送り迎えをされているお母さまたちが何人もいらっしゃいます。
子育ては大変です。
精神的、肉体的にプレッシャーを感じながらも、
お子さまに寄り添って一緒にがんばっていらっしゃる姿を
教室で目にするたびに、頭の下がる思いがしています。

今回のブログは、そんなお母さまたちへのエールになればと思い、
山崎全珠連名誉会長のエッセイの抜粋を紹介させていただきました。

 

   門樹