近年、新しい公立学校制度である中高一貫校が注目されています。その理由に、授業料は公立として無料でありながら、私立のように独自のカリキュラムを組んでいることや、難関大学への進学実績を上げていることがあります。そして、脱偏差値教育の理念を掲げて、入試に通常の学力試験を行わないことも特徴です。入試では「適正検査」と呼ばれる筆記試験と面接が行われ、知識量を問うのではなく思考力を問います。具体的には作文を中心とした記述式問題です。なお、公立中高一貫校の入試は、「受験」ではなく「受検」と言います。
中高一貫校には中学入試で入学の可否が決まります。これまで中学入試と言えば、国語・算数・社会・理科の4科目の知識を回答する方式でした。しかし、作文を中心とする記述問題となると、対策の方法に違いが出てきます。従来のような決まった答えを覚える、あるいは導き出すのではなく、観察して発見する、または自分なりの推論を立てて結論を出していく、さらには自己体験をストーリーづけて描写するなどの説明力が要求されます。単語や解法を覚えさえすれば、高得点が取れるわけではないのです。
そこで、多くの進学塾が、公立中高一貫校受検用の作文講座を開設し始めています。そうした講座は、合格に必要な作文力として、①論理性 、②データ読解力、③各教科の基礎知識、④文章表現力などの錬成を説いています。しかし、それら作文の技法は、受検直前の学年で付け焼き刃的に訓練するだけでは習得が難しく、受検科目として添削を受けながら勉強するのではもったいないというのが、≪もんじゅ≫スタッフの正直な感想です。もっと早い時期から読書と作文を楽しみつつ、それらの技法を自然と身につけるのが理想的です。
≪もんじゅ≫でも作文・読書コースを開講しています。小学校2年生から、偉人伝、科学読み物、ドキュメンタリー、文学作品など、文体の異なる文章を毎週、順に読み、当教室が独自に用意する作文ワークシートで、課題図書に関する論点の整理、共感・反論の論述、設問に対応する結論文の抽出、文学作品に対して自分で創作したストーリーの付加などの作業を繰り返します。作文能力と読書習慣は受検にとどまらず、学業、仕事、日常生活まで、人生全般を豊かにするための重要なスキルであると、≪もんじゅ≫は考えています。