「いろは」は、よく学校の試験問題で、
(1)(2)(3)、(A)(B)(C)、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)、(ア)(イ)(ウ)などとともに、
選択肢の記号として多用されます。
でも、「いろは」に続く文字を、ごぞんじでしょうか。
「いろはにほへとちりぬるをわかよたれそ……」と続きます。
これにはさらに後があり、次のような和歌になります。
色は匂へど 散りぬるを
我が世、誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
(意味をとりやすいように、漢字を入れました。)
仏教思想を背景に平安時代に作られたといわれる「いろは歌」です。
「あいうえお50音」は音韻別に機械的に並べられているのに対して、
いろは歌は、深遠な意味のある歌でありながら、
文字の重複なく、すべての文字を使うことに成功しています。
このことから、いろは歌は、かな文字を読み書きで覚える
恰好の手本として昔から使われていました。
≪もんじゅ≫の「音読・書きとりコース」では、
これを小学校1・2年生のテキストとして使います。
「いろはにほへと……」だけでなく、
「い」は「いぬもあるけば、ぼうにあたる」、
「ろ」は「ろんより、しょうこ」など、
かるた歌として有名なフレーズも、あわせて覚えます。
日本語はとても豊かです。ちょっと知っておくだけで、
発見やトクした気分になれるものがたくさんあります。
門樹