≪もんじゅ≫の知恵 第101句

◎ 風そよぐ 読書の秋に 何を読む

 夏休みも終わり、2学期が始まりました。秋になって涼しくなると、外のベンチに座ったり、窓を開けてそよ風を感じたりしながら、本を読むのが心地よい楽しみになります。さて読書の秋、お子さんにはどのような本を読ませたらよいでしょうか。
 9月は夏休みの読書感想文の余韻が残っている間に次の読書を仕掛け、お子さんに読書を習慣づけるのに丁度よい時期です。お子さんの読書に対する意欲が刺激されてまだ残っています。まず、書店や図書館で「何でもいいから好きな本を選んでごらん」と声をかけてみてください。
 読書感想文の課題図書は指定されていることが多いため、今度はお子さんが自分で本を選びたいかもしれません。逆に、お子さんが感想文を書くのに読んだ本の内容に興味を抱き、似たような本を選ぶこともあるでしょう。
 夏休みの旅行やイベントに関係した本を選ぶこともあると思います。8月は終戦記念日に絡んだテレビ番組が多いので、戦争体験や平和に関する本を見せると、お子さんはすんなりと読むかもしれません。スポーツや習い事の子ども向け解説書は一気に読んでしまう可能性が大きいです。
 もし、すでに本を読むのが好きなお子さんでしたら、読んだ本の中で感動した部分を400字原稿用紙1枚に書写することをお薦めします。読書好きな人は多いですが、作文好きな人は少ないです。文章を書く経験がほとんどないからです。文章を書き写すことで、名文のリズムが自分の頭に刻まれます。
 ≪もんじゅ≫には「作文・読書コース」があり、生徒さんたちが毎週平均15ページ余りの課題作品を呼んで200字ほどの作文を書いてきます。継続することを最優先にしてるので、週単位だと大した量ではありませんが、年間約50週分をこなせば読書量は1年間で約800ページ、文章量は1万字ほどになります。
 「作文・読書コース」の生徒さんには、自分の作文や読書感想文が学校で選ばれたというお子さんが何人もいますし、夏休みに日記を毎日書いて学校に提出したら先生にほめられたと報告してくれるお子さんもいます。読むことに慣れたら、書くことも少しずつ習慣にしていきましょう。

(高橋門樹)