≪もんじゅ≫では教養の1つとして、季節の行事や風習を生徒さんに知ってもらいたいと思っています。そこで、ホームページ上で定期的に季節の話題をとりあげ、わかりやすく説明します。

第22講 ―― 梅雨(つゆ)と秋雨(あきさめ)

 北海道を除き、日本の6~7月は全国的に梅雨の季節です。日本には梅雨だけでなく、9~10月には秋雨(秋霖)があります。これは、夏に支配的な温かく湿った太平洋気団と、冬に強くなる寒く乾燥したシベリア気団が、日本列島上空で入れ替わる時に起こる現象です。

 梅雨と秋雨の時期には、日本の南方でアジア大陸南部の揚子江気団が太平洋気団に合流する一方で、日本の北方でオホーツク気団がシベリア気団に加勢して、ちょうど日本列島の真上で衝突したまま停滞します。その結果、太平洋気団の湿った暖気が冷やされて雨を降らし続けます。この角逐は、夏に太平洋気団が押し勝ち、冬にシベリア気団が押し戻します。

 写真は冷やされた湿った空気が雨雲となって、梅雨(ばいう)前線を形成している写真です。梅雨はあたかも如雨露(じょうろ)で水を日本列島にかけてくれているかのようにも見えます。梅雨の後の緑生い茂る夏が明けて秋雨になれば、日本は間もなく実りの秋を迎えます。

梅雨前線(15.07.02)

(高橋門樹)