去る12月22~23日、直美先生が全珠連の本部がある京都で、1泊の人材育成講習会に参加してきました。そこでは全珠連の歴史に始まり、そろばんの役割の変遷、小学校授業におけるデジタル教材の活用など、多岐にわたる講義に加え、参加した各先生の個人発表やグループ発表が行われました。
そろばんが、かつて昭和時代に隆盛を極めた「商業そろばん」としての役割を終えたという認識は指導者も共有している一方、その後、小学校教育で数のしくみを可視化できる教材として、また子どもの脳力開発に優れたツールとして見直されていることについては、現在様々な検証で明らかになっています。
最近では、そろばんの従来の強みとされている計算力や集中力、記憶力の圧倒的向上だけでなく、点数には表しにくい高度な集中力や学習習慣、イメージ処理能力などの非認知能力の向上にも大きく関係しているという研究があります。こうした研究成果が体系化され、さらにそれが広く言語化されるまでにはもう少し時間がかかるでしょうが、一定レベル以上の珠算学習者であれば、お子さま自身がそうした能力を強く認識できているのではないかと思います。
≪もんじゅ≫では今年、そろばんで身につく計算力と、算数・数学全般の理解力を結び付けていくことに注力していきます。そろばん指導をしていると、そろばんの計算は非常に早く正確なのに、文章題になった途端に簡単な式を立てることができないお子さんが時々見受けられます。全珠連の検定は3級から「応用問題」という科目が入ってきますが、ここで文章題の理解力の有無が如実に表れます。せっかくそろばんで人並外れた計算力や暗算力を習得したのですから、それを算数や数学の試験の点数に反映させられなければ、もったいない限りです。
実は全珠連では、幼稚園年長児~小学校6年生のそろばん学習者を対象として、すべての学年・学期ごとに20枚で1セットの算数プリントを用意してあります。簡単すぎず難しすぎず、分数・小数の計算から図形・文章題まで全単元を網羅しています。学校の算数を得意科目にするには、ちょうどいいレベルです。自宅学習用にご購入いただき、自習されることをお勧めします。採点と解説については、ご相談ください。≪もんじゅ≫の生徒さん全員が、「そろばんをやっていたから算数が得意になった」と胸を張って言えるようになっていただきたいと願っております。