昨日3月30日(土)、地元町田市のボランティア組織「まちだサポーターズ」(まちサポ)で、町田市のサッカーJ2チーム「FC町田ゼルビア」の試合運営のお手伝いをしてきました。昨年12月に市へボランティア登録をして初めての競技場での活動でした。いくつかの発見がありましのたで、業務上問題にならない範囲で、その内容を少しご紹介します。

 試合はFC町田ゼルビアがホームの町田市立陸上競技場で、愛媛FCとの第6節でした。ゲームは14時キックオフですが、ボランティアの集合は11時15分、競技場1回の関係者入口でした。ほどなくしてその場で打合せが始まり、15名ほどのボランティアの人たちはそれぞれの担当場所へ移動しました。ボランティアの方々は60~70歳代の方が多く、こうしたボランティア業務を熟知されていました。

 私の持ち場は、対戦相手のアウェーチームの入場口でした。キックオフの2時間以上前からアウェー席の観客が入り始め、席を確保すると、競技場外の周辺の出店などで飲食物を買いに行きます。私がすることは、競技場内から外へ出る人の手の甲に特殊インクのスタンプを押すことでした。再入場の際にブラックライトと呼ばれる特殊光にあてると、文字が黄緑色に浮かび上がります。

 競技場外へ出る人たちに「再入場の時に必要ですので、スタンプを左手の甲に押させてください」とお願いします。観客には女性も多くいるので、ボランティアの先輩たちは「マナーとして白い手袋をはめるんです。左手でお客さんの手を軽く握り、右手で持ったスタンプを相手の手の甲に押します。相手の手を持たないと振り払われて押せないことがありますから」と教えてくれました。

 スタンプを押した時には「ありがとうございました」、外から戻ってきた人には「お帰りなさい」と笑顔で言います。「アウェーの人たちを歓迎する気持ちを伝える」との指示もありました。トイレの場所などを尋ねられた時の答え方も覚えました。ボランティアといえども、接客のプロとしての態度が求められます。

 声かけをすると、お客さんの表情が変わります。微笑んで会釈をしてくれたり、「ありがとうございます」と返してくれたりします。こうしたやり取りは、学生時代の飲食店でのアルバイト経験以来でした。小さなお子さんたちはスタンプを押された手を、再入場で特殊ライトにかざしてスタンプが浮かび上がるのを楽しんでいました。再入場者の誘導の後は、試合後の観客のバス乗車の案内も担当しました。

「こうしたボランティアに学生は参加しないのですか?」と他のボランティアの方に聞くと、「夏休みになると高校生や大学生が参加しますよ。授業の一環で、大学生は単位になると言っていました」とのこと。ただし、高校生が大量に参加すると、まじめにやらずにおしゃべりばかりする子も少なくないそうで、実施方法には工夫が必要なようです。「まちサポ」自体は、中学生から参加可能です。

 「まちサポ」は、2013年(冬期1~2月、夏期9~10月)に東京で開催された国体(国民体育大会・全国障害者スポーツ大会)のために、町田市が市民にボランティアを募集、千人あまりで結成されました。同年9月、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致が決定したことから、「まちサポ」はその開催・運営のサポートを1つの目標とした地域のボランティア組織として継続しています。

 「まちサポ」メンバーは国体を機に結成された組織だけにスポーツ好きな方が多く、町田市内に限らず近隣自治体のスポーツイベントにも参加する元気な方ばかりです。障がい者福祉施設で働いていて、先の国体で参加して以来、「まちサポ」で何かしらお手伝いをしているという方もいらっしゃいます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックが近くなり、「まちサポ」参加者が新たに増えたようです。

 私はこども教室≪もんじゅ≫が開塾5年目を迎えた2017年ごろから、生徒さんたちに社会貢献や社会交流の大切さを伝えるためには、自らも地域の方たちとの交流をしたいと思うようになりました。そこで、まず2018年1月に東京都「外国人おもてなし語学ボランティア」に登録、12月には東京2020大会(オリンピック・パラリンピック)大会ボランティアと「まちサポ」に登録しました。

 時を同じくして、近隣の小学校でのそろばんボランティア授業のお声かけをいただき、2018年2月と2019年1・3月に担当しました。また、≪もんじゅ≫の生徒のいじめ問題の解決でお世話になった市議会議員さんの選挙を2018年2月にお手伝いさせていただきました。町田市からは2018年7月~19年3月の市政モニターの依頼があり、市政に関する詳細なアンケートに2回解答しました。

 ≪もんじゅ≫は生徒さんに頭でっかちな秀才ではなく、地に足の着いた「市民」になってもらいたいと考えています。受験競争に勝って学校名や学歴を誇っても、大きな意味はありません。仕事を通じての社会貢献や、余暇に可能な範囲で社会活動を通じて人々と共生することが、成熟した先進国の市民が目指すところかと思います。私自身まだ模索中ですが、少しずつ活動の幅を広げていくつもりです。

 FC町田ゼルビアは、2018年度の戦績でJ1への昇格が可能だったのですが、ホーム競技場の設備が未整備だったために昇格が見送られました。左の写真は「ふるさと納税」によって建設された大型電光掲示板です。右の写真でグラウンド奥の茶色い土がむき出しの部分は、J1昇格資格を満たすために5千人分の観客席を建設中の場所です。J1昇格は地元自治体や市民の大きな協力も得て実現できる大事業です。