全国珠算教育連盟の機関誌『全珠連会報』(第171号、平成28年11月1日発行)に、8月8日(パチパチの日)に京都で開催された全日本珠算選手権大会に出場された数名の社会人選手のメッセージが掲載されているので、以下に一部をご紹介します。(会報では氏名が明記されていますが、ここではお名前は伏せておきます。)

*****以下『全珠連会報』第171号からの引用

Q そろばんの魅力とは?
A なんといっても暗算ができること。仕事では絶大な威力を発揮します。社会人になると書類をめくる機会が圧倒的に増えるため、伝票のめくり方を知っていたのは大きな利点。(公務員、男性35歳、出場12回目)
A まさに頭脳スポーツであること。洗練された動きで0.1秒を争う陸上競技にも似たストイックさがあります。評価基準が「点数」「タイム」といった、とてもはっきりしたものというのも、上達の実感を得られやすい。(企業勤務、男性35歳、出場15回目)
A いつかは十段を取りたいと思いながらも、中学3年の終わりから大学に入るまでそろばんから離れていました。十段が取得できたのは教員になってからでした。(高校教諭、女性45歳、出場21回目)

Q 子どもたちへのメッセージをお願いします。
A どんなことでもいいので「何か一つのことをものになるまでやってみた」という経験は、社会人になってからも大きな自信につながります。大人たちは「この人にはどんな長所、取り柄があるのだろうか」という目で見ています。そろばんの学習を通じて得たものを活かして、将来活躍されることを期待しています。(前出、公務員の方)
A 私はそろばんを続けていたことが今の職業につながっています。そろばんの魅力を次の世代に伝えることが、お世話になった方々への恩返しと思っています。(前出、高校教諭の方)

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 この大会には全国から選りすぐられた珠算高段者が集って、全国一を競います。今年度の参加者は601名、うち79名が社会人選手でした。近年は小学生が高得点を出すなど若手の台頭が著しいとはいえ、やはり優勝は社会人選手です。日ごろ仕事などで忙しい中、毎年のように出場を続け、全国トップレベルで研鑽を怠らない方たちには頭が下がります。やはり「継続は力なり」です。