各種資料をまとめながら、作文に取り組んでいます。

各種資料をまとめながら、作文に取り組んでいます。これからの作文には、思いつきのエッセイではなく、資料からの引用やインタビュー調査などの「調べ学習」が求められます。導入部分、問題点、いくつかの事実、直接見聞きした感想などで構成します。

 ≪もんじゅ≫が夏期講習で特に力を入れたいのは、次世代の若者に要求される思考力と独創力の育成です。これまでの受験で求められてきた大量の知識の詰め込みと難問の処理速度を競うような教育ではなく、自分自身でオリジナルなものを生み出し、自分をマネジメントする能力を培います。
 そこで、今年から始めた夏期講習Bでは、個別指導コースの集中講座としての形をとり、お子さま一人一人に合った指導内容を作りました。受講対象は小学生と中学生です。生徒さんは受講申し込みの時に、≪もんじゅ≫の指導スタッフに授業日時と指導教科の希望を出してもらいました。
 ただし、苦手な教科や単元の指導をする他に、受講生全員に夏休みの宿題リストを提出してもらいました。学校の勉強にこそ、学力を伸ばすたくさんの素材が散りばめられているからです。夏休みの宿題は、1学期の復習と2学期の予習、独自の発想と文章力を涵養する課題で構成されています。
 それらは主として、①ドリル(問題集)、②プリント問題、③課題レポート、④自由研究、⑤読書感想文・作文などです。意外に思われるかもしれませんが、これらをきっちりと夏休み40日間をかけてこなすことで、入試でも必要とされる学力が身についていきます。以下で具体的にご説明します。

付近の公立中学校では、同じ社会科プリントが配布され、夏休み明けにテストがあります。≪もんじゅ≫では、答え合わせと暗記の方法を教えました。

付近の公立中学校では、同じ社会科プリントが配布され、夏休み明けにテストがあります。≪もんじゅ≫では、答え合わせと暗記の方法を教えました。ペーパーテストでは漢字が書けないと点数になりません。地名・人名がカギとなります。英単語でも社会科の穴埋めでも、平均1問1秒以内で即答できれば、暗記完了です。

 ①のドリルは、大抵、英語・数学・国語などです。内容は1学期の復習ですが、集中してやっても数日間はかかります。生徒が自分で考えるだけではわからない問題が時々あるので、解法を≪もんじゅ≫スタッフが説明します。自分がよくわかっていなかったところが明確になります。
 ②のプリント問題は、英単語や社会科の穴埋めなどで、意味や答えを調べて記入します。夏休み明けに、そこから出題されるテストがよくあります。そこで、テスト向けに口頭で即座に答え、解答を何度も書きます。確実に暗記して、漢字で書けることが重要です。
 ③の課題レポートは、「○○について調べてレポートを作成しなさい」というもので、国語や社会が多いです。事前に調査対象は提示されているものの、具体的な調査の方法や書き方は示されていないことがほとんどなので、調査方法、書く内容、章立て、レイアウトなどを指示します。
 ④の自由研究は理科・社会です。これは、テーマと実験・調査方法や書き方が、学校から細かく指示されていません。理科と社会のいずれにせよ、a)疑問、b)予想・仮定、c)実験・調査方法、d)実験・調査過程、e)結論・考察などを書いていきます。テーマの選別と調査の手伝いをします。
 ⑤の読書感想文は、事前に本に関して、a)登場人物とあらすじ、b)自分が気に入った場面とセリフ、c)似たような自分の体験、d)疑問・反論・賛成、e)部分創作などを書いてくるように指示します。授業ではそれらをもとに、私との間で質疑応答をして、不足している部分をふくらましていきます。

夏休み中の新聞記事の抜粋を、プリント両面に書いて提出する宿題です。自分で罫線を引き、一番下の行まで書き込むことで、見栄えが格段に上がります。

夏休み中の複数の新聞記事の抜粋を、プリント両面に書いて提出する宿題です。自分で罫線を引き、一番下の行まで書き込むことで、見栄えが格段に上がります。新聞の文章はもともと4W1Hが冒頭にまとめられていますから、記事を頭から書いていけば簡潔な文章ができあがります。

 総じて言えば、日本の夏休みの宿題はその取り組み方について、小学生も中学生も学校で十分な指導を受けていません。特に、上記③~⑤のレポート・研究・感想文は、そもそもそれらの目的が何で、どのような構成で書くのかを、生徒たちはほとんどわからないまま取り組んでいます。
 そこが落とし穴となっています。夏休みの宿題は、2学期の成績に直接は関係ないし、とりあえず提出さえしておけばよいと考えがちです。しかし、冒頭で書いたように、実はこれらをきちんと活用すれば、これほど実力をつけるのに役立つプログラムはないと、≪もんじゅ≫は考えます。
 ≪もんじゅ≫がすることは、上記①~⑤を指導することにとどまらず、それぞれの宿題の目的の説明、夏休みの宿題を完成させるスケジュール作成のお手伝い、そしてそれらを遂行するよう督励することです。じょうずに励まし、背中を押してあげれば、子どもたちは難なく宿題を完成させていきます。
 今年の夏期講習Bには、個別指導コースの生徒さんを中心に小中学生の生徒さんたちが受講してくれました。通り一遍の一斉授業ではなく、生徒それぞれの性格を見極めて指導する中で、学習全体の計画、課題設定、問題考察、資料精読、文章作成などの力を身につけていってくれたと思います。