そろばんは紙にプリントされた計算を黙々とそろばんで計算していく見取り算の他に、「願いましては」で始め「~円なり、~円なり……」と読まれた数字を計算していく読上げ算があります。その読上げ算には、「Starting with ~dollars, ~dollars……」と読んでいく英語読上げ算もあります。英語読上げ算は、全国いくつかの地域で地域のそろばん学習者を集めて開催する大会や、東京で開催する全国大会などがあり、選手たちがその技量を競います。

 ≪もんじゅ≫では、英語読上げ算が生徒さんたちの英語聞き取り能力や英語発音の向上に有用であると考え、4月から授業で取り入れることに致しました。初めは月1回週末に開講時間を設定しますが、少しずつ拡大して平日の授業でも一部の時間を使って練習する予定です。英語読上げ算の大会に出場することを、とりあえずの目標にします。

 読上げ算で使われる英単語や言い回しは、ある程度決まっています。話題に際限のない英会話よりも、短期で確実に使えるようになるので、小学生が英語学習の入口とするのに適していると言えるでしょう。将来、大学やビジネスで英語を使う際に、ケタの大きな数字を扱うことが予想されます。百(hundred)・千(thousand)だけでなく、百万(million)・十億(billion)・兆(trillion)までの数字をスラスラと口にして計算できれば、周囲の見る目も変わるでしょう。

 英語のそろばん・算数用語には以下があります。たし算=addition、ひき算=subtraction、かけ算=multiplication、わり算=division、一(十)の位=one’s(ten’s) place、十進法=ten system、一ケタと二ケタ=one digit / two digits、自然数と整数=natural number / whole number、(数の)正負=positive / negative、平方根と立方根=square root / cube root、奇数と偶数=odd number / even numberなどなど。簡単そうな単語でも、英語では案外ご存知ないものが多いのではないでしょうか。

 日本の学校教育で学習する英語は会話や文学用語が多く、実用性に欠けると言われます。小中学生が使う基礎的な学習用語程度は知っておかないと、英語でのやりとりで「あれ、こんな言葉を知らないの?」と思われることが起きます。難しいと思われがちな理数系の言葉ほど定型の言葉や言い回しが多く、英語が外国人との共通言語として使いやすいものです。英語の幅を広げる1つの方法として、英語読上げ算をご活用ください。