学校の作文指導で、文章の必須要素「4W1H」(いつ、どこで、だれが、なにを、どうした)が、よく指摘されます。でも、実際にそれらが簡潔に入っている文章を手本にして学ぶことは、ほとんどないのはないでしょうか。学校の教科書で教材として扱われることが多い文学作品は、情景や心理を描写することに重点がおかれており、簡潔な文章の習得には不向きと言わざるを得ません。
 「4W1H」の入った簡潔な文章のお手本は新聞です。新聞の文章の特徴は、それらの情報を冒頭で盛り込みながら、言うべき主張や疑問も最初に明記していることです。重要なことほど最初に書くのが新聞の文体です。文章執筆を習得する初歩は、まず手本としたい文章を書写するのが最良の方法です。数年前から『朝日新聞』の「天声人語」や『読売新聞』の「編集手帳」を書写するノートが中高生向けに販売されているのも、そのためです。
 いきなり作文を課されたら子どもにとってハードルが高いですが、ふだんから自分が好きな分野でお手本のような文章を書き写しておけば、夏休みの旅行記でも遠足の記録でも慣れた文章のパターンにしたがって容易に書けるでしょう。句読点やカッコの規則、マス目の使い方、段落の切り方なども自然に体得できます。

 ≪もんじゅ≫では、今年に入ってから「作文・読書コース」の生徒さんを対象に、無料で新聞記事書写の添削を始めました。異なるいくつかのスタイルの本を読んで読解する従来の作文ワークシートに加え、余力のある生徒さんには指定の新聞記事を、≪もんじゅ≫オリジナルの書写ワークシートに書いて提出することを勧めています。
 当教室でテキストとして指定しているのは、『読売KODOMO新聞』です。毎週木曜日発行の週刊で、月500円と安価です。新聞屋さんが木曜日の朝に自宅まで届けてくれます。漢字にはルビがふられて読みやすくなっています。『朝日新聞』と『毎日新聞』からも小学生向け新聞が発行されていますが、日刊で読み切れずに、毎日たまっていくことが懸念されます。
 『読売KODOMO新聞』が木曜日に自宅に届けられたら、「ニュース」「特集」「スポーツ」「おしゃれ」「ブーム」「学習」などの各紙面から、おもしろそうな記事を生徒さんが自分で選び、それを週末にワークシートに書き写します。継続できることを重視して、ワークシートの文字数は300字余りに設定しました。提出されたワークシートには≪もんじゅ≫スタッフがコメントを赤ペンで書いて、翌週までに返却します。

 ≪もんじゅ≫は、いっしょに小学生向け新聞を楽しく読む仲間を募集しています。お子さまの新聞記事書写にご関心のある方は、ぜひお問い合わせください。