こども教室≪もんじゅ≫では、今年12月から正式に「作文・読書コース」を新開講しました。従来から開講していた「音読・書きとりコース」は、短文などを声に出したり漢字を書いたりして語彙を覚えるというインプット作業が中心でしたが、新たな「作文・読書コース」では作品の内容理解に努め、それに関連した作文を書くという、思考とアウトプットの強化を目的としています。新コースの開講で、現代版寺子屋である≪もんじゅ≫は、「読み・書き・そろばん」の内容が完成しました。
 当コースは今年10月から当教室入会済みの生徒さん限定でプレ開講してきました。これまでに、本をほとんど読んだことのなかった男の子が、国語辞典をかたわらにおいて一所懸命に本を読み始めたとの嬉しい報告を、お母さまからいただいております。さっそく学校の読書感想文コンクールで入賞した女の子もいます。

【目標】
 作文・読書コースの目標は、学校の成績の向上にとどまりません。作文・読書の作法を、大人になっても役立つ文書作成の基本技能として習得していただきたいと考えています。具体的には以下の3つがあります。
 1つは、「すべての学力の要」であると言われる読書を習慣にして、学力の基礎固めをすることです。漢字、慣用句、雑学、論理的思考などは、読書をしていれば自然と身についていきます。知識的なことだけでなく、自分が実体験できない世界の話にグイグイ引き込まれていく読書の楽しみを、お子さんに知っていただければ嬉しいです。
 2つめは、文章筆記に対する苦手意識を払しょくすることです。夏休み課題の作文・感想文を仕上げるのに苦労した経験のある人や、仕事で企画書や報告書で悩まされているビジネスマンは少なくないと思います。スラスラと文章を書けることは、子ども、大人を問わず、あこがれと言ってもよいでしょう。
 3つめは、人格の陶冶(とうや)と自己表現です。読書は知識が得られるだけでなく、人間性を高めてくれます。「生涯勉強」を実践するうえで読書は不可欠です。また文章執筆によって自分の考えが明確になりますし、文章が人目に触れれば様々な人から反応をもらえ、ネットワークが広がります。

【教材】
 ではどのようにして、作文を習得するのでしょうか。≪もんじゅ≫は小学生に適した文章を集めた各種分野の書籍4冊をテキストに選びました。それらを毎週1冊15ページ前後読み進み、1~2枚の作文ワークシートで設問に解答していくことで、要約・読解・論点整理・創作などの技能を高めていきます。各冊はほとんどが12章で構成されているので、毎月1章ずつ読んで、1年間で読了します。1ヵ月4週間、各週で異なるテキストを読み、1年間で4冊、計48章分について作文ワークシートを作成していくことになります。
 テキスト書籍4冊の分野は次の通りです。①伝記――偉人の立志伝に心が躍ります、②理科読み物――おどろきと発見の連続です、②感動的な社会的事件――市井の人びとの情熱と突破力を知ります、④文学作品――人間性の奥深さと日本語の美しさを堪能します。異なる分野の本をバランスよく読むことによって、さまざまな文体の日本語に触れることができます。
 ≪もんじゅ≫では「作文・読書の7つ道具」の活用を生徒さんに推奨しています。蛍光ペン、付箋(ふせん)、しおりなどです。小学生の筆記用具は黒鉛筆が基本ですが、作文の準備段階では読んだ本の気になった個所に蛍光ペンでマーキングし、気の付いたことを赤ペンや青ペンで書き込みをします。そうすると、作文をするために読み返した時、重要な部分がすぐに目に飛び込んできますし、カラフルさが読書を楽しませてくれます。最近の付箋は本文の文字を遮らないように小さかったり、下の部分が透明だったりするなど、とても機能的です。しおりも可愛らしいデザインのものが多くあります。こうした便利で楽しい小道具を使わない手はありません。子どもは面白がって、蛍光ペンの線引きや付箋貼りをしながら、本をじっくり読んでいきます。

【ワークシートの設問と作文】
 上記の書籍に関して、ワークシートでは次のような設問を用意しています。一部を以下にご紹介します。「伝記の主人公は何を成しとげた人ですか?」「心に残った言葉をぬき書きしましょう」「質問と答えを本文から抜き出しましょう」「あなたにとって、どのような発見がありましたか?」「事件の内容を、いつ、どこで、だれが、何を、どうしたのかを明記して要約しましょう」「主要な登場人物の名前と性格を書きましょう」「あなたが印象に残った場面はどこですか。理由もあわせて書きましょう」「この物語をおもしろくするために、あなただったらどの場面をどのように変えますか。理由もあわせて書きましょう」などです。
 これらの設問に答えることを念頭に置きながら本を読み、作文を繰り返していれば、いざ夏休みになって旅行記や読書感想文を書く時も、苦労することなく書いていくことができます。修辞をこらした美文や複雑な構想の小説ではなく、学校で要求される記録文、感想文、創作文を書くのであれば、上記のパターンのいくつかを組み合わせれば十分対応できます。
 ワークシートでは、国語辞典を使うように指示する設問もあります。今どきは電子辞書が普及していますが、ひらがな50音の配列や辞書の構造を知り、一覧性に富む点で、やはり小学生のうちは書籍の国語辞典を使いこなす方が良いでしょう。一度調べた言葉には蛍光ペンでマークを付けたり、ページの端に付箋を貼ると、1年もたつと辞書が分厚くなっています。辞書の側面が手あかで汚れ、ページにたくさんの印がついた辞書は、努力の結晶であり、誇らしいものです。

【ワークシート提出と添削】
 当コースは教室で指導するのではなく、ワークシートの提出と添削による通信講座です。毎月2回、第2・4週に生徒さんが解答を記入したワークシートを≪もんじゅ≫に提出します。未記入のワークシートは、テキスト書籍4冊用それぞれに当教室が作成したものを、半年分ずつまとめて事前にお渡しします。
 すでに≪もんじゅ≫の会員となり、当教室の「音読・書きとりコース」または「そろばん・暗算コース」に通塾されている生徒さんには、来室した際に解答を終えたワークシートを講師に提出していただきます。それを≪もんじゅ≫スタッフが添削し、翌週の授業で返却します。「作文・読書コース」のみを受講される方には、解答ずみのワークシートを当教室へ郵送していただき、翌週までに添削し、ご自宅に郵送返却いたします。

【受講対象学年と費用】
 受講対象は小学校2~6年生とさせていただきます。小学校1年生は文字を書けるようになったばかりで、ほとんどのお子さんは文章を読むことはできても書くことはできないのが実情です。そこで当コースは2年生を開始学年とし、テキストの抜き書きを中心にして、文章を書くことに慣れていきます。3年生のワークシートからは自分で文章を考えて書く設問の割合が増えていきます。
 受講料は毎月5,000円(税込5,400円)です。これにテキスト書籍代金が加わります。通塾されている生徒さんは、毎月の月謝に当コースの受講料を加えた形で、他コースの費用と一緒に直接教室でお支払いください。当コースのみ受講の方は、銀行振り込みで入会金・受講料などをご納付ください。お振り込みが確認でき次第、テキスト書籍とワークシート等をお送りいたします(送料・振込手数料は受講者負担とさせていただきます)。

 ご興味やご不明な点がおありの方は、メール(info@kodomo-monju.com)、またはお電話(042-734-4121)でお問い合わせいただければ、ありがたいです。お問い合わせをいただいた方には、さらに詳細な情報をお伝えします。

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