≪もんじゅ≫では、日本漢字能力検定を同協会公認の準会場として定期的に実施しています。今年の1月にも、≪もんじゅ≫の生徒さんを中心に小中学生18名が受検し、14名が合格しました。漢検は協会が年3回4ヵ月ごとに受検を実施していますが、≪もんじゅ≫では8ヵ月ごとに教室で検定試験を実施しています。じっくりと漢検準備をしてもらうためです。

 当教室で初めて受検する生徒さんには、現在の学年の級よりも前年の学年の級の受検を勧めることが多いです。というのも、漢検の勉強は学校の漢字テストのように読んで書ければマルになるのではなく、筆順や部首、音読み・訓読みの区別、熟語なども理解しておかないと点が取りにくいからです。さらに漢検で出題される漢字は、当該学年で習う漢字であっても、読みや言葉がその年齢の子どもでは知らないものが時々あります。決してあなどれません。

 下の学年の級から始めても、1年後、遅くても2年後には先取りした学年の級を受けることになるので、むしろ焦ることなく、じっくりと漢字の勉強に取り組んでもらいたいと考えています。漢字は学校の定期試験でも入試でも、国語のテストで20点前後(100点満点)の配点があります。漢字が得意か不得意かで、テストの点数が大きく異なってきます。漢字に強くなることは非常に役立ちます。

 漢検を受験する生徒さんのうち半分程度は、毎週、漢検テキストを4ページほど解いて、≪もんじゅ≫に持ってきます。こちらは単に答えあわせをするのではなく、間違った箇所を国語辞典や漢和辞典で調べる手伝いをしてあげます。特に漢和辞典は使い方が多少複雑なだけに、慣れることが重要です。使ってみると漢和辞典は情報の宝庫で、読むこと自体が楽しくなります。辞書の使い方がわかれば、自宅学習がすんなりできるようになります。

 興味深いのは、軽度の学習障害を持っていても漢字練習は面倒くさがらずにできるお子さんが多くいることです。抽象的な数理計算をする算数と違い、多少画数の多い文字でもそれを見て書くだけですから、知的精神的負担がそれほどなく継続できるようです。毎週、テキストに漢字を書いて持参してきたものをその場で採点し、半年あまりで漢検テキスト1冊を終えると、ほとんどのお子さんがきちんと検定に合格します。

 漢検協会から、検定結果資料として送られてくる情報の中に級別合格率があります。小学校1年生の漢字が出題される10級は、受検者の96%が合格しています。しかし、級が上がるほど徐々に合格率は下がり、6年生の漢字が出題される5級では合格率が74%になります。中学校在学程度の4級は51%、高校在学程度の準2級では35%と一気に下降します。地道な勉強が不可欠です。

 4級(中学校在学程度)の受検者の年齢別合格率も掲載されています。12歳以下(小学生)の合格率は59%、13~15歳(中学生)は55.3%、16~18歳(高校生)は26%と、年齢が上がるほどに合格率が下がります。ここからは、学校単位でイヤイヤ受検させられている高校生と、塾などで意欲的に先取り学習をしている小学生という受検者の構図が見て取れます。同様の傾向は準2級(高校在学程度)でも見られます。小学生47.8%、中学生41.8%、高校生28.7%の合格率です。

 これらのデータから言えることは、小学生から漢字学習を適切に始めておくことが、将来的に漢字が得意になるか否かの鍵となりやすいことです。度を越した早期教育に≪もんじゅ≫は賛成しませんが、子どもの時から勉強を習慣化することは、≪もんじゅ≫が目指す教育の1つです。≪もんじゅ≫では生徒さん一人一人が自分の能力に適した珠算検定と漢字検定の級に合格するお手伝いをすることで、総合的な学力固めを推進しています。