2014年11月15日(土)『朝日新聞』朝刊26面に「そろばん塾 厳しいけど楽しい」という記事が掲載されていましたので、一部をご紹介します。「いま子どもたちは」というシリーズものの第815回の記事です。今回は、東京都墨田区の商店街にあるそろばん塾、工藤珠算学園のお話でした。

工藤珠算学園はそろばんだけではなく、しつけも厳しく指導します。黙って入室した男子には「だれ、今入って来たの。やり直し」と言って、あいさつを言い直させます。お子さんのあいさつの指導は、≪もんじゅ≫も同様です。靴の脱ぎ履き、帽子の着脱、言葉づかいなど、勉強に向かう姿勢をただすことが入室の第一歩です。お子さんをあずかる塾の使命の1つだと思います。

記事では中学3年生の成田さんという女子生徒が紹介されています。彼女は小学校4年生の時にそろばんを習い始め、現在、珠算検定は初段、暗算検定は2段を取得しています。バドミントン部の活動をしながらも、そろばん塾に週4日通ってきました。中学校2年生の時は、学校の勉強との両立に悩み、塾をやめようと考えたこともありましたが、思いとどまってそろばん塾を続けました。

≪もんじゅ≫でも「そろそろ受験準備をするから」と、そろばんをやめてしまう生徒さんが時々いらっしゃいます。でも指導者側からすると、今やめてしまってはもったいないと、いつも残念に思います。もう少しで、友だちや大人から「すごーい」と羨ましがられるほどの計算技能が身に付くところだったりするからです。そろばんは、制限時間の中で計算速度を向上させる訓練であり、数理処理能力と集中力をきたえることにつながります。そろばん上級者ほど、高偏差値大学へ通う人が多いのが実際です。せめて3級までは頑張っていただきたいというのが正直な気持ちです。

成田さんが持つ暗算段位は、たとえば6ケタ数字10クチの足し算・引き算や、3ケタどうしの掛け算などを数秒以内に暗算で解いてしまう計算力です。そろばんを習得していない人にはマネのできない能力と言ってよいでしょう。彼女はそろばんの魅力を「できた時の楽しさ」と話します。それはレベルが高まるほどに増します。そんな成田さんも今年10月にあった区の珠算競技大会で決勝に進んだ時には、嬉しさと緊張で涙が出てしまったそうです。

そろばんの大会では学年に関係になく、そろばんのタマを目にもとまらぬ指さばきで計算をする猛者たちが集まります。初めて参加した時は圧倒されるばかりですが、自分の実力が上がってくると、入賞したいと闘志がわいてくるようになります。たかがそろばん、されどそろばん。若い時に数年間なにかに打ち込んだ末に、特別な能力と大きな達成感を得られることは、だれにとってもかけがえのないことです。

そろばんは手軽に始められ、級・段位の取得によって努力の成果を得、実力を可視化するシステムが整っています。塾内でのライバルや大会での強豪たちとの競争などで、向上心が常に刺激を受けます。そろばんを通じていっしょに知的能力を鍛える仲間を、≪もんじゅ≫はいつでも歓迎しています。