≪もんじゅ≫ではどの教科を教える時にも、「イメージできること」を重視します。

 先日、小学校2年生の容積の単位換算を、音読・書きとりコースの授業で取り上げました。L(リットル)・dL(デシリットル)・mL(ミリリットル)。どれがなんの何倍か、すぐにわかりますか? 1L=10dL=1000mLですね。でも、1Lや1dLという単位を生活で使うことがあまりないので、ピンとこないお子さんが多いのが実際です。

 そこで≪もんじゅ≫では、まずビーカーを使って容積を大きさで理解してもらいます。用意するのは1L(1000mL)、1dL(100mL)、10mLの3つです。さらに牛乳パックも持ってきて並べます。生徒さんたちはビーカーが目の前に置かれると、「あっ、知ってる」「見たことある」と声をあげます。そして思い思いに手に取り、ひっくり返したり、のぞいたりします。

 ころ合いを見計らって、ホワイトボードに「1L=10dL=1000mL」と書き、「さて、この1Lの10分の1はどのビーカーだ?」「この10mLの100こ分はどのビーカーだ?」「牛乳パックと同じ量の水が入るビーカーは?」などと尋ねます。すると、生徒たちは大きな声で「こっち!」「あれ!」とビーカーを指して答えます。楽しいクイズをしているかのようです。

 よく、子どもの頃はたくさん遊んだほうがいい、と言います。それは様々な体験をしていないと、いざ勉強で出てきた言葉や文章のイメージをつかむことができないからです。特にdL(デシリットル)などは、日常生活で使うことがありませんから、ビーカーを直接持ってなで繰り回さない限り、感覚的に実感してもらうことはできません。

 脳をフル回転させるためには、目(視覚)・耳(聴覚)・指(触覚)・口(発声)からの記憶も動員させると効率が高まります。何よりも「楽しい」という感情が伴っていると、強い記憶として残ります。勉強は自宅で1人でする努力も必要ですが、塾で少人数が集まって賑やかに意見を出し合ってするのも大きな力になります。自宅学習と塾での学習を上手に組み合わせるのがお奨めです。

(高橋門樹)