『全国珠算新聞』第601号(隔月刊、平成25年9月1日発行)から

    「外国の子育てから」

 全珠連学術顧問の八田武志氏が、ご自身の体験にもとづいて、記事の中で外国の子育ての事例をふたつ紹介されています。
 ひとつは、イギリスでの子どもに対する発音訓練です。社会階級が存在するイギリスでは、所属階級特有の言葉遣いや発音を身につけないと不都合なために、親が発音した言葉を子どもに復唱させて、適切な音を身につけさせることがあるようです。
 いまひとつは、イスラエルでの宗教教育の方法です。民族宗教であるユダヤ教の教理を覚えるために、タルムードという経典を丸暗記させるそうです。八田氏は「語彙をしっかりと子どもの時期から増やしているのは一種の英才教育かもしれない」と考察されています。
 同氏は、「幼児期からの読み書きそろばんの学習は言うまでもなく重要ですが」「音声言語の使用にも卓越することが重要です」とも指摘します。「読み」とは、大量な書物を黙読するばかりではなく、時として英知が凝縮された名言や哲理を声に出して音読、頭に刻み込むことも不可欠なのでしょう。