高校入試日程の真っただ中、推薦入試は一般入試よりも先んじて実施され、≪もんじゅ≫に通う中学3年生の2名が、推薦入試で早々に私立と都立の志望校へ入学を決めました。おめでとうございます。

 この男子生徒は、小学5年生の時から≪もんじゅ≫の作文・読書コースとそろばん・音読コースで勉強を始めました。毎週、小学生新聞のスポーツ欄の記事を写し書きし、日記練習では野球の練習を生き生きと活写していました。中学では個別指導コースでの勉強に替え、野球推薦に必要な成績を取り、見事にスポーツ推薦を獲得しました。秋ごろにはすでに推薦合格をほぼ確実にしていましたが、1月に各種推薦入試の受験者全員を集めて、作文と面接の最終確認が行われました。「問題なく書けて、話せました」とのことで、1月中に正式な合格の報告をしてくれました。

 もう1人の女子生徒は、中学2年生の時から≪もんじゅ≫の個別指導コースで、英検対策と作文、時事問題を勉強してきました。3年生で英検3級に合格し、都立上位校への中学校長推薦を獲得すると、推薦入試の作文・集団討論・面接対策に入りました。予想される質問の回答文をいくつも準備し、質疑応答を繰り返しました。「≪もんじゅ≫でたくさんの想定問答を作文したことが安心につながりました」と言っていました。1月に参加した「もんじゅ遠足」で、町田市の障がい者の仕事について見学したことを面接で話したことも、高評価につながったのではないかと報告してくれました。

 近年の入試は、今後の成長の原体験となるような有意義な体験をしていることと、自分の考えを文章と口頭で説明力する力が試される傾向にあります。志望校合格のお手伝いをできたことは、≪もんじゅ≫の大きな喜びです。2人が高校でさらに飛躍することを期待しています。

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 都立高校に合格した女子生徒から、入試の詳細な報告を受けた時に気になったことが2点ありました。1点目は男子と女子で合格者の定員が決まっていることでした。その高校の今年の推薦入試の合格者は、女子が30名、男子はスポーツ推薦を含めて33名と、男女別に合格者が当初から決められていました。男女に関係なく試験結果の高得点順に合格するのではありません。折しも、大学の医学部入試で男子受験者が優先的に合格していたことが、昨年社会問題になりました。

 そんなことを考えていたところに、ちょうど『朝日新聞』2月9日夕刊のトップニュース「都立高男女別定員今も」でその問題が取り上げられていました。記事では女子の方が男子よりも点数が良くても、点数の悪い男子を合格させる実態が明らかにされていました。日本全国で男女別に人数枠を決めて募集しているのは東京都だけとのことです。「女性の活躍推進」を都政が掲げていることに反しているでしょう。

 もう1点は、推薦入試制度で「推薦」がほとんど意味をなしていないことです。都立高校全日制普通科コースの入試倍率は男女とも約1.5倍です。それが今回≪もんじゅ≫の女性生徒が受けた高校の推薦入試は、4倍以上ありました。通常、中学校長がわざわざ推薦をした生徒は、高確率で合格するのが本来の推薦入試制度のはずですが、一般入試よりもはるかに合格率が低いのです。

 彼女に尋ねると、「都立上位校に一般入試で受かるのはやはり難易度が高いので、不合格となるリスクを少しでも低くするために、とりあえず推薦も受ける人が少なくありません」とのこと。これでは、推薦入試が一般入試の補助的役割を担っているにすぎません。本来、推薦入試は、単純な学力考査とは異なる人材発掘のためのものです。学力以外の明確な応募条件を高校が示さないと、推薦入試の意味が不明確になってしまいます。

 上記の男子生徒は野球に小学校時代から打ち込み、チーム内でも若干名しかもらえない監督推薦を獲得しました。また、女子生徒はダンスで世界大会に参加するほどの実績を残しています。推薦入試では学力だけではなく、人に堂々と語れるほど打ち込んだことの有無が肝要です。さらに、それをきちんと文章と口頭で説明できるだけの知的表現力を身につけることが、入試の成否を握ります。≪もんじゅ≫では頭でっかちな勉強方法よりも、体感を通じた学びにも取り組むことをお勧めしています。