今月27日(日)に都立高校初導入の英語スピーキングテスト「ESAT-J」(=English Speaking Achievement Test for Junior High School Students:イーサットジェイ)を、都内公立中学3年生の全員が受けることになっています。実施方法に不備が多すぎることから、中止を叫ぶ専門家や市民が多く、いまだに論争となっている試験ではありますが、受験生は実施に備えて準備をするほかありません。

ESAT-Jはベネッセが実施している英語能力テストGTECに酷似しているとの指摘は以前からありますが、GTECは英検のような対策本が少なく、受験生が独自に勉強することは難しいのが現状です。ただし、町田市の中学生は幸いながら、市が中学3年間で毎年GTECを実施しています。都内の他の自治体ではGTECを学校で受験させていないところが大半ですので、町田市の生徒は本番のESAT-Jで戸惑うことは少ないでしょう。

とはいえ、GTECで出題・解答方法はわかっていても、ESAT-Jは予想問題に対する模範解答を暗記しておかないことには、ほとんど答えられないのが実情です。東京都教育委員会は、100を超す想定問答をホームページ上で動画・画像・音声付きで公開しています。同委員会ホームページで「中学校英語 話すこと―やりとり・発表のモデル映像」と「中学校英語話すこと―トレーニング」に掲載されている例題を解き、模範解答を覚えておきましょう。

ESAT-Jの次は、「自己PR カード」です。これは、都立高校の推薦入試を受ける生徒は12月初旬に中学校へ提出して、願書とともに志望校へ届けられます。高校の入試面接では、面接官がこの自己PRカードを見て質問をします。その内容が入試の合否を大きく左右すると言っても過言ではありません。一般入試で当日に受ける筆記試験とは異なり、自己PRカードは事前に時間をかけてじっくり内容を練ることができるため、適切な指導を受けて作成したか否かで、内容の出来に大きな差が出ます。自分の得意分野を語る呼び水となるようなことをカードにいくつも仕掛けます。

自己PRカードは、①志望理由、②中学校生活の中で得たこと、③高等学校卒業の進路について、の3つをA4用紙1枚に書きます。作成の要諦は、解答欄にできる限り具体的に自分のエピソードを盛り込んで余白なく書くことです。それぞれの解答欄は鉛筆で7行分の罫線を書き、230~250字で書き込みます。高校は推薦入試でリーダー的資質を持つ受験生を探しています。学校の部活で頑張ったことを挙げるだけでは、インパクトが弱すぎます。学校外でのボランティアや習い事での実績を作っておくことを、中学1年生の時から心がけましょう。