≪もんじゅ≫では生徒の皆さんに国際的なことに関心を持ってもらう機会の提供を心がけています。例えば、これまでにも在日米軍の子女たちと横須賀でそろばん競技をする「日米小学生そろばんコンテスト」に参加していますし(コロナ禍でここ2年は中止)、昨年はイギリスのそろばん教室とオンライン交流会を開催しました。イギリスとの交流会は恒例にして今年も開催することになりました。
私(高橋門樹)は今年の1月9日(日)にハンガリーの小学校の先生たちとの意見交換会に参加しました。今から20年ほど前に日本人のそろばん教師がハンガリーの大学で講演をしたところ、その講演を聞いたハンガリーの教員が感激して、そろばんの普及活動をハンガリーで始めました。今ではハンガリーの教員養成大学ではそろばん授業が開講され、100校以上の小学校ではそろばんが必修になっています。毎回算数の授業でそろばんを使う先生もいるそうです。「考えるSZOROBAN日本普及会」が発行する機関誌「ハンガリー通信」最新2月号のトップページには、私の文章を掲載していただきました。
また、太平洋に浮かぶ島のトンガ王国の小学校では、全国必修でそろばんが教えられています。30年ほど前にトンガ国王が日本人のそろばん教員と出会ったことがきっかけで、算数の授業でそろばんの導入が決まりました。毎年、トンガでは地方大会を勝ち抜いた選手たちが全国大会でそろばんの実力を競っています。
そんなトンガで今年1月火山噴火が起こり、火山灰などでトンガの人々が大きな被害を受けたことは記憶にある方も多いと思います。トンガとのそろばん交流を実施している国際珠算普及基金に高橋門樹が復興援助金としてのお見舞金を提案したところ、それが受け入れられ実現しました。≪もんじゅ≫が提供した義援金は間もなくトンガ大使館へ送金される予定です。
海外との交流を通じて、私たちは自分の視野を広げることができます。日本で発達したそろばんが世界で普及し、算数・数学理解の助けになっています。日本政府は毎年、海外青年協力隊としてトンガへ給与付きでそろばん指導者を送っています。当たり前に思っているものが、実は海外で大きな価値と機能を持っていることがあります。何か行動を自ら起こせば、自分の世界が広がることをお子さんたちにも伝えていきたいと思っています。