≪もんじゅ≫では教養の1つとして毎月、季節の話題をとりあげ、HPとFBでご説明しています。

第29講 ―― 節分と立春

 2月3日は節分で、翌日の2月4日は立春です。日本でこの2つはセットになっていて、節分で邪気(鬼)を払い、福を呼び込んでから、立春(新春)を迎えます。

 節分の日には、多くのご家庭でお父さんが鬼のお面をかぶって、外でお子さんが鬼に豆を投げるのではないでしょうか。また、大きな寺社が関取などを招いて豆まき会を行なうのは、関取が鬼をはり手で追い出し、四股で踏みつけてくれるからです。節分は日本の微笑ましい風物詩となっています。

 実は、角の生えた鬼自体が日本的なものですから、節分は世界で日本だけの習慣です。中国では春の到来をお祝いする料理として、春巻きを立春に食べる習慣がありました(写真)。今では中国も日本も季節に関係なく春巻を食べますが、その名残は「春」の字が付いた名前に見られます。

 さて、立春は中国から伝わった24節気の春の最初です。24節気の春は立春に始まり、雨水(うすい)→啓蟄(けいちつ)→春分(3月20日ごろ)→清明(せいめい)→穀雨(こくう)と続き、立夏(5月5日ごろ)で季節が入れ替わります。つまり、立春は「春らしくなった時期」ではなく、あくまでも「春の兆しが見え始める時期」とご理解ください。

 わが家の梅の木は、たくさんの花のつぼみが桃色に丸くふくらんで、開花する準備をしています。2月はまだ寒いですが、三寒四温、少しずつ暖かくなります。春といえば、3月のひな祭り、4月のお花見などの行事が続きます。今年はインフルエンザが流行っていますが、皆さん、風邪などお召しにならず、春を満喫なさってください。

(高橋門樹)