先週末の10月28日(土)に、≪もんじゅ≫で漢字能力検定(漢検)を実施しました。午前と午後に合わせて11人が受験し(写真上)、昨晩のうちに受検者の答案を京都の日本漢字能力協会(漢検協会)へゆうパックで送付しました。今年の春に≪もんじゅ≫が漢検の準会場として認定されてから、初めての漢検実施です。検定担当者としては実施手引きと首っ引きでしたが、無事に終えることができました。

 ≪もんじゅ≫は今年度が始まった4月に、半年後の10月に漢検を実施すると生徒さんたちに発表しました。前学年の復習あるいは今年度の先取り学習として受検を薦め、同一回で家族で合格すると表彰状が漢検協会から授与されることなどを説明しました。すると、漢字が得意なお子さんも苦手意識を持つお子さんも、また親子・兄弟など、8歳から60歳過ぎまでの受験者が集まりました。

 受検生の皆さんは受検を決めてから漢検のテキストに取り組み始め、毎週≪もんじゅ≫の音読・書きとりコースや個別指導コースで来室した時に、解いてきた漢検テキストを持参する生徒さんが何人もいました。保護者の方がすでにマル付けをされた部分に≪もんじゅ≫が閲覧済みのハンコを押したり、私がその場でマル付けをして漢和辞典を一緒に引いて指導をしたりするなど、やり方はそれぞれでした。

 この半年間、毎週欠かさずに漢検テキストを解いて提出してきた生徒さんたち。また、お子様の漢検受検を応援すべく一緒に漢字を勉強して、先週の土曜日にお子様と机を並べて受検されたお父様たち。試験監督をしながら、そんな素晴らしいご家族の皆さんが≪もんじゅ≫に通われていることに感動し、≪もんじゅ≫が地域の皆さんのお力に微力でもなれているかもしれないことに感謝しました。

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 ≪もんじゅ≫は開塾以来、「読み・書き・そろばん」を教育の手法として掲げてきました。「そろばん」は全国珠算教育連盟または日本商工会議所の珠算・暗算検定に合格することで、生徒さんの実力の向上を形にすることができます。「読み・書き」のうち漢字と語彙は、今年から当教室で受検できるようになった漢検の各級に合格することでその進歩を示すことができるようになりました。

 「読み・書き」には漢字と語彙だけでなく、読書と作文の能力も含まれます。こちらは、4年前から読書・作文コースを開講して、小学生の受講生であれば毎年、課題図書の合計が約800ページ、最低50枚の文章を書いています。作文は書くほどに原稿ファイルが厚くなって蓄積がわかりますし、学校で作文・感想文コンテストや文集など、漢字・珠算検定とは違う形で成果を評価される機会があります。

 2020年の大学受験では従来のセンター試験が改編されて新しい入試方式になり、記述式解答が多くなります。これまでセンター試験の漢字問題は、選択肢の中からマークシートで解答を選択していました。しかし、これからは知識として漢字が問われるのではなく、自分の思考の表現方法の1つとして自分で書かなければいけなくなります。漢字で自分の語彙力の有無を表し、論理的な思考力を補強できるか否かが試されます。

 今後、受験で論述問題が増えれば、就職活動でも、企業・業界の知識や自己分析だけでなく、マーケティング・データにもとづく販促戦略など数値と論理性を問う質問が学生に投げかれられるでしょう。エクセルなどを使わなくても暗算で瞬時に計算ができることは、ビジネスでも役立つはずです。「読み・書き・そろばん」は基礎学力というよりも総合学力の素だと、≪もんじゅ≫は考えています。

(高橋門樹)