NHKニュース画像


 昨日3月29日(木)に日米小学生そろばんコンテストが、全国珠算教育連盟(全珠連)神奈川県支部と神奈川県珠算連合会の主催により、神奈川県横須賀市の「ヴェルクよこすか」(横須賀市立勤労福祉会館)で開催されました。神奈川県内の在日米軍内のアメリカンスクール4校の小学生と神奈川県内の日本人小学生が集まって、日頃から練習しているそろばん技能を競いました。

 会場へ取材に来ていたNHKが、翌30日に同コンテストを映像とともに1分間のニュースとして報道しました。ぜひ映像と記事をご覧ください。(*このニュースは「NHK ON LINE」にアップされていた映像付き記事をURLから引用していたのですが、掲載期限が切れたようで、現在、映像・記事とも閲覧できません。代わりにニュースで使われた映像の画像を貼付します。)ニュース記事では触れられていない情報を以下に補足します。

 コンテストでは見取り算と読上げ算の2種目が行われ、読上げ算は日本語の「願いましては~円なり、~円なり」の代わりに、英語で“Starting with ~dollars, ~dollars,”と問題が読まれ、アメリカ人・日本人どちらの選手も英語で聞き取った数字をそろばんで計算します。成績優秀な選手には、アメリカン・チャンピオン賞、ジャパニーズ・チャンピオン賞、満点(ハイスコア)賞などが授与されました。

 日本人だけ、或いはアメリカンスクールの児童だけが参加する英語読上げ算コンテストは全国でいくつかありますが、日米の小学生が一堂に会して実施されるものは、ここ神奈川県だけです。神奈川県には在日米軍の陸軍(座間・相模原)、海軍(横須賀)、空軍(厚木)などが集中しているという地理的条件が、その理由でもあります。日米小学生そろばんコンテストは毎年行われ、今年で20回目になります。

 神奈川県支部には、30年近く前に発足した英語読上げ算を研究する、そろばんの先生たちのグループ「Y.E.S」があります。こちらの先生方が中心となって長年にわたって米軍の小学校へそろばんを教えに行く一方で、ご自身のそろばん教室で日本人の生徒に英語読上げ算を指導してこられてきました。コンテスト当日は「Y.E.S」の先生方が英語による読上げ算の読み手を担当されました。

 年1回のこのコンテストは、全珠連神奈川県支部の大きなイベントの1つとなっており、会場設営、進行、審査、記録、報道などを県支部の先生方数十名で運営をされていました。私、高橋門樹は、今年1月から「Y.E.S」の研究会で勉強をさせていただいており、今回のコンテストの見学をさせていただきたいとお願いをしたところ、神奈川県支部の先生方は快く受け入れて下さいました。改めて御礼申し上げます。

 コンテストの会場で次々と読まれる英語の数字を、日米の児童たちが集中して聞き取り、そろばんを弾いて解答していく姿は、IT(情報技術)やAI(人工知能)が発達した時代においても、そろばんによる計算力が世界で認められていることを証明していると思います。複雑な演算処理ならともかく、学校数学など日常で扱う数字程度は、自分の頭脳で暗算できた方が便利なのは言うまでもありません。