当教室には、10の約束ごと――「もんじゅ十則」があります。

一   五分前 早めに着いて 準備よし
二   玄関で 靴、服、笑顔を 整えよう
三   教室に 入る時には 「こんにちは!」
四   お返事は 大きな声で 「はい」「です」「ます」
五   座る時 背すじが伸びて きれいだね
六   大きくて 丁寧な字は 読みやすい
七   帰る時 消しゴムかすは ゴミ箱へ
八   教室を 出て行く時は 「さようなら!」
九   帰ったら 今日したことを 話そうよ
十   続ければ 必ず成果が あらわれる

新学期4月の初回と、きのうの第2回は、
これを声に出して生徒さんたちと読みました。
ただ読むだけでなく、実際に教室のドアを開けるところから始めて、
玄関の鏡の前で自分の姿を見たり、ニコッと笑ったりもしました。
体の動きが入るだけで、子どもは遊びのように感じるようです。
「座る時 背すじが伸びて きれいだね」を読むと、
子どもたちは大げさに背中を反らせて、笑っていました。

「十則」と言えば、「仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない」
などで知られる「電通“鬼十則”」があります。
いま放映中の大河ドラマ「八重の桜」でも紹介されている
会津藩の「什の掟(じゅうのおきて)」もあり、その中では、
「ならぬことはならぬものです」が、よく取り上げられます。
規範を明文化することによって、
その組織や社会の文化が自ずと形成されていくものだと思います。

昨今、お年寄りと接することや近所づきあいが減り、
あらたまって子どもが躾(しつけ)を受ける機会が少なくなりました。
今どき、規則や掟など流行らないかもしれません。
でも、何気ない普段の習慣が人格や品格をつくるのであれば、
おけいこ事の先生から、時々、躾を受けるのは、
読んで字のごとく、身(所作・振る舞い)を美しくするのに
有用な気がします。

                             門樹