先日、わが家の小学5年生の娘の学校で学級父母会がありました。夏休みに入る直前でしたので、成績の決まり方や夏休みの過ごし方に関する指導が中心でしたが、小学校高学年生が身につけるべき学習態度に関するアドバイスで傾聴に値する話がありましたので、簡単にご紹介します。

 娘が通う小学校は大学の付属校で、幼稚園から高校まで多くの教員が複数の教員免許を持っており、付属の幼小中高校間を異動して教えます。娘の担任の先生は30歳前後で現在小学部に在籍していますが、中学部でも教えることがあるそうです。その経験から、伸びる生徒の特徴を次のように指摘されます。

 「私は今年5年生を教えていますが、数年前にも5年生を教えていて、彼らが中学生になってから中学でも教えたことがあるんです。5~6年生で勉強が良くできていたのに、中学2年生で教えた時には成績が落ちていた子がいました。その一方で、小学校では成績がそれほどでもなかったのに、中学で頭角を現していた子たちがいるんです。」

 成績が振るわなくなった生徒と、数年後に成績が良くなっていった生徒は、それぞれどのような特徴があったのでしょうか。

 「宿題や課題を期限までに常にきちんと提出する子が伸びます。テストはその単元を集中的に勉強したり、テクニックで点数をあげることができます。しかし、一旦さぼれば点数は簡単に下がります。それに対して、教師が体系的に考えて生徒に与えている宿題を確実にこなし、自分で調べてまとめあげる自由研究などの課題をまじめにやっていれば、確実に実力がつきます。」

 「教育熱心な親御さんは、お子さんが小学生だとあれこれ指示を出しますが、中学生にもなると子どもに独立心が芽生えて、親の言うことを聞かなくなります。勉強内容も親が教えられないことが多くなります。その時に、普段から自分で勉強する姿勢が子どもにできているかどうか、やるべき課題に自ら取り組んでいけるかが問題になります。」

 子どもが小学生のうちは、点数そのものを目標にするよりも、課題を通して自ら考え理解することと、課題を余裕をもってこなすことを目標にすることが、長い目で見て学力向上を確実にする秘訣のようです。親はテストの点数に一喜一憂して時に子どもを叱咤するよりも、家で宿題や課題に取り組む子どもをサポートすることを心がけたいものです。

(高橋門樹)